新潟の農家さん絶賛!100万円以下の自動散布ドローン「飛助」とは?

農業ドローン「飛助(とびすけ)シリーズ」の売れ行きが好調だ。

我らが新潟県でも昨年2018年から本格販売がスタートし、短期間で新潟県内40台を突破。2019年も好調に出荷台数を伸ばしている。
新潟ドローン飛助

製造しているは、大阪の「マゼックス」 大型ドローンの専業メーカーだ。元々はラジヘリの整備をしていた同社が、近隣農家からの要望で開発したのが飛助シリーズの始まりだ。

数年前までは、農業機械業界で無名だったマゼックスだが、低価格と高い散布性能を両立させた主力機「飛助DX」が発売されると、これが大ヒット。プロの散布業者がラジヘリから移行し、全国各地の生産組合や大規模法人がそれに続いて導入を進めている。

2018年末にはシリーズ累計600台を出荷し、マゼックスの飛助は、日本の農業ドローンでトップランナーになりつつある。

これまで、農業ドローンは中国のドローン大手、DJIの独壇場になるのではないかと予測されてきた。しかしここへ来て日本のメーカーが形勢を逆転しているのだ。

なぜ農業の現場では「飛助」が選ばれるのか?
その魅力に迫る。

1.圧倒的な抵コスト

マゼックスの飛助は、安い。

現在販売されている農業ドローンの多くが、ドローン本体とバッテリー等の周辺機器を合わせると、ほとんどが実売価格200万円前後となる。

一方、飛助はそれらに比べて大幅にコストダウンしている。
10Lの飛助DXが120万円弱、
5Lの飛助Ⅲなら、70万円弱で導入可能なのだ。

農業ドローン コスト比較※2019年6月時点での税抜定価

本体だけでなく、バッテリーの価格が抑えらている点が素晴らしい。
なぜならドローン散布は、作業面積に応じて複数のバッテリーを用意する事が多く、経年劣化時の買い替えも含めれば、バッテリーの価格がトータルの運用コストを大きく左右するからだ。

試しに充電器やバッテリーの数を増やして試算すると、その差は歴然と出てくる。
10L機では半分のコストに。5L機ではなんと約1/3のコストダウンになる。
この後のバッテリー買い替えで、コスト差は更に開いていく。
農業ドローン コスト比較※2019年6月時点での税抜定価

また、教習費用やメンテナンス費用のコストカットにも注目したい。これは他社のドローンが、旧型ラジヘリに合わせて「壊れていない部品も全て交換する」経営方針なのに対して、飛助DXや飛助Ⅲでは、「壊れた部品だけ交換」するといった方針をとっているためである。

農業ドローン コスト比較
※2019年6月時点での税抜定価、消耗度により上下します。
※A社、B社ドローンでは、上記に加えて所属団体(農水協)への登録維持費が別途かかります。
 
 

強化カーボンのフレームに、アルミCNC切出しパーツ、DJI製の高級FCに産業用高トルクモーターと、かなり贅沢な部品を利用しているにも関わらず、このような低コストでドローンを市場投入しているマゼックス。
正直いって、これは凄い。

2.トップクラスの散布精度

低価格が注目されている「飛助シリーズ」だが、安かろう悪かろうでは、当然ヒット商品にはならない。農業ドローンの場合もそれは同じだ。飛助が大ヒットしている理由も、実のところは価格が安いからではない。

飛助が売れてるホントの理由
それは「散布精度の高さ」である。

あまり一般には知られていないが、散布ラジヘリや、ドローンの性能とは、どれだけ農作物全体にムラ無く薬剤を付着させらるかで決まるわけだ。

専門機材で試験を行うと、大型ラジヘリの散布ムラが7~15%程度なのに対し、一般的な農業ドローンは散布ムラが25~40%となる。そのため、これまでの農業ドローンでは、許容範囲とはいえ散布ムラが若干多い状態だったのだ。

そんな中で飛助DXは、なんと散布ムラ15%以下をたたき出したのである。
これにはドローン業界関係者が驚いた。世界で初めて産業ラジヘリ並の散布精度を実現した「プロ仕様の農業ドローン」が誕生したのだ。

このムラの少なさ=散布精度の高さが、プロの散布業者の間で話題となった。もちろん瞬く間に導入が進み、全国の生産法人や組合へと波及して、現在の大ヒットへとつながっている。

ではなぜ、飛助DXだけが、散布ムラがこれほど少ないのか?
ヒミツは2つの技術的側面だという。
1、大型4枚プロペラによる強力ダウンウォッシュ
2、前後切り替えポンプ(特許技術)

ラジヘリやドローンで薬剤をまんべんなく付着させるには、地面に対して強い風を吹かせて、そこに薬剤を乗せる必要がある。これをダウンウォッシュ効果と呼んでいる。

このダウンウォッシュ効果を高めるには、プロペラの総面積を広くとる必要がある。当然、一番広いプロペラ面積を確保できるのはラジヘリの一枚プロペラ型になる。

では、複数のプロペラが必要なドローンではどうするか?
マゼックスは4枚の大径プロペラを採用することで強力な風圧を確保している。
8枚プロペラと比較すると、そのパワーの違いがよく分かる。

ただし、4枚羽で風を強めただけでは、散布ムラ15%以下は実現できない。マゼックスの飛助DXには、特許技術の前後切替ポンプが搭載されている。

これは、進行方向に対して液剤の噴出ノズルを絶妙なタイミングで切替えて、吐出した液剤を4枚プロペラの強力な風に上手く乗せる、画期的な技術である。

新潟県内でも、この「散布精度」を評価して飛助を選んだ法人は多い。

3.自動散布が便利

近年のドローンはGPS制御により「飛ばすだけ」なら本当に簡単になった。しかし農薬散布となるとそうはいかない。

日本の空中散布は、条間4m幅で散布する規格となっている。そのため、ラジヘリやドローンを、可能な限り正確に4mずつ横移動させなくてはならい。これが案外難しい。

しかし、マゼックスの飛助シリーズではそんな心配は不要だ。 GPSをフル活用した「自動散布」が使えるからである。

使い方は簡単で、最初にGPS直進田植機のように、A地点とB地点を登録し、後は「AUTOスイッチ」をONにするだけ。あとは飛助が全て自動で行ってくれる。しかも途中で薬剤が無くなって着陸させた場合は、散布の中断地点を記憶し、自動で戻って再開が可能である。(同じバッテリーを継続使用中のみ中断地点を記憶)

ちなみに、このオート散布はスマホやタブレットなどのデジタル機器は不要。あらかじめ送信機とスマホを連動通信させるための難しい設定や、散布地図の事前指定などの作業も一切ない。

更に飛助DX特有の機能として、前後進でポンプ操作だけを自動で行うセミオート散布機能と、4mの横移動を行うワンタッチ横移動スイッチも搭載されている。(飛助Ⅲの場合は、標準でセミオート散布のみ搭載。横4m移動は、送信機アップグレード時に機能追加される)

飛助なら、初心者でも熟練のオペレータのような正確な飛行が可能だ。
なお、自動関連の機能比較も参考までに確認しておこう。

※飛助Ⅲの4m自動横移動スイッチ機能は「T12K送信機アップグレード」で使用できます。
※B社ドローンの自動散布は、加盟団体のガイドラインが緩和される見通しとの事です。
ただし記事執筆時(2019年7月)では、時期などの詳細は不明です。

まとめ

こうしてみると飛助は、農業ドローンに必要な要素がすべて揃っている。
)低コスト:本体だけじゃなく消耗品や整備費も安い
2)均一散布:業界トップクラスの散布精度
3)カンタン:オート散布・セミオート散布・4m移動スイッチ

数年前は無名のベンチャー企業だった「マゼックス」だが、
今や業界での確固たる地位を築き上げた。

最近では、電気会社と連携して送電工事ドローン「延助(のびすけ)」をリリース、次いで2019年は住友林業と林業ドローン「MU-S」を発表した。更に現在はレスキュー用ドローンの開発依頼に対応するなど、大手企業から頼りにされる「ニッポンのモノづくり企業」となった。

これから農業ドローンを導入予定なら、
マゼックスの飛助を検討しておきたい。

 

飛助Ⅲ(5L)の詳細
マゼックス飛助Ⅲ

 

飛助DX(10L)の詳細
マゼックス飛助DX

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